七十二候御朱印(末候)|虹始見と牡丹華
◎虹始見 (にじはじめてあらわる)
清明の末侯で4月14日〜19日。冬には見かけなかった虹が現われ始める頃。春が深くなるとともに、だんだんと空気が潤ってくるので、この時期から雨上がりに虹を見ることが多くなります。雲間から差す柔らかな光に、不意に浮かび上がる春の虹。単に「虹」といえば夏の季語ですが、「初虹」はその年初めて立つ虹を指します。
◎虹色(にじいろ)
現代で虹色と言えば、いわゆるレインボーを思い浮かべますが、淡い紅色をかつての人は虹色と呼びました。紅花染を施した薄い絹地は光沢を帯び、光の反射や眺める角度によって青っぽく見えたり、紫が混じって見えたことに由来します。
◎牡丹華 (ぼたんはなさく)
穀雨の末候で4月30日〜5月4日。牡丹の花が咲き始める頃。牡丹は、晩春から初夏にかけて花をつけ、色も紅・淡紅・白・紫など様々です。平安時代には宮廷や寺院で観賞用として栽培され、今では俳句のテーマ、絵画や着物のモチーフとしてもよく登場します。
◎牡丹色(ぼたんいろ)
牡丹色とは、中国では百花の王とも呼ばれている、牡丹の花の色から取られた色名です。春から夏にかけて咲く美しい牡丹の花びらのような、紫がかった紅色を指しています。この花が日本に伝わったのは、奈良時代から平安時代にかけてといわれ、着物の襲(かさね)の色目としても親しまれていました。